値下げをしない企業

こんばんは!

今日は値下げをしない企業と、その真意を話します。少し難しい話かもしれませんが、なかなか興味深い話なのでぜひ最後まで読んでください。

みなさん、値下げをしない企業はどう思いますか?きっと大嫌いですよね笑

 

「消費者のこと思うんだったらもっと安くしろ!」

とか

「こんな高く売ったら不景気になるじゃないか!」

とか思っていませんか?

僕も高給取りではないので、ものすごく気持ちは分かります。笑

 

ですが、彼らが値下げをしない理由って本当に儲けだけでしょうか?

答えはNoです。

ではなぜか?それは、彼らがカテゴリーの成長、及び長い目で見た時の消費者の幸せを考えているからです。

 

はい、意味分かんないですよね。

なのでもう少し詳しく説明します。

例として、日常生活に不可欠になりつつある、スマホを例に取りましょう。分かりやすいように、日本で1番シェアのあるAppleで考えます。

 

彼らはその高い可能性とデザイン性で、圧倒的なシェアを誇っています。しかし、新製品発表のたびに値上げをして色々と批判もされています。みんな、安いiPhoneが欲しいですよね?笑

 

ここで、彼らが値下げをしたと仮定しましょう。

きっと市場ではこんなことが起こります。

1. 今までiPhone買えなかった人たちが飛びつき、iPhoneのシェアが爆発的に上がる(ここまではOKです)

2. 当然、他のメーカーの売上は下がります。

3. さらに、iPhoneも値下げによって思ったほど販売金額は伸びません。

4. 結果として、カテゴリー全体の売上もちょっと下がってしまいます。

 

ここまでは大丈夫ですね?

え、Appleにとっても消費者にとってもwin-winじゃないかって?続けます。

5. 焦った競合メーカーは、なぜ売上が落ちたのか急いで分析します。

6. そこで、Appleが値下げによってシェアを伸ばしたことに気づきます。

7. Appleほど資金のない彼らは、圧倒的なスペックの製品開発を早急にする資源はありません。そこでこう考えます。「うちはもっと値下げをして、シェアを取り戻そう!

8. さて、結果として彼らのシェアは以前と同水準まで戻り、Appleのシェアも少し落ち着きました。めでたしめでたし。

 

え、なにも問題ないじゃないかって?

消費者にとっては安いスマホがいっぱい出ただけですもんね。では、さらにその後は何が起こるでしょう?

 

9. 結果として、カテゴリー全体の売上は落ちてしまいました。(各製品の値段が下がったので、当然ですね)

10. そうなると投資家の目には「このカテゴリーはもう落ち目か。他の分野に投資しよう。」となり資金が少なくなります。

11. そもそもどの企業も値下げしてるので、値下げ前とシェアは一緒なのに、売上が落ちるという訳の分からないことが起きてしまいます。

12. でも、今更値上げなんてできません。なんせ値下げでシェアを回復したから、値上げしたらどうなるか明らかですもんね。

13. そうなると、もう投資する余裕などなくなって、ひたすら人件費を削減するか、一部事業を売却するか、いずれにせよ良い結末は待っていません。

14. 当然、そうなると世の中に革新的な商品は現れず、消費者はいつまでも似たような製品を使い続けなければいけません…

 

どうですか?

なんだか、気づかぬうちに嫌な結末になったでしょう?

まぁ実際全てのケースでこうなる訳ではないでしょうが、似たようなことは高確率で起こります。

たかが一企業の値下げが、消費者の幸せを妨げてしまうのです。

 

これがシェアの小さい企業だと、他が追随しないのでこうはならないのでしょうが、No.1やNo.2の企業だとこうなる危険性があります。

 

大げさにでなく、彼らはそのカテゴリーの未来に対して責任があるのです。だから値下げしなくても売上が伸ばせることを常に証明し続けなければいけない。

例えばスマホApple、テーマパークのディズニーやUSJのように。

大多数のリーディングカンパニーと呼ばれる企業は、批判されても値上げをやめません。少なくとも値下げはしません。

 

それにはこんな理由があるのです。

だから僕は品質が伴う限りは値上げを批判しませんし、むしろ歓迎します。

みなさんも値上げ企業を見たら、悪徳企業だと思う前に、一度その企業の製品をよく見てみればいかがですか?きっと前より良くなってるはずですよ。

 

ちなみに、偉そうなこと言っときながら、僕は普段スーパーで買い物するときは安いプライベートブランド買っちゃいます。笑

最初に言った通り、高給取りじゃないから仕方ないね。笑

ではでは!