転売について -転売は是か非か?-

こんばんは!

最近忙しかったので、久々の投稿です。

 

今日は広告や商品の話ではなく、「転売」についてです。

よくチケットや限定品等で話題になる転売・転売ヤーですが、メーカー側でマーケティングやってると色々思うこともあるもんです。

 

さて、タイトルで「是か非か?」と言っていますね。結論から言うと、「非」だと思っています。

 

それはなぜか?メーカー的目線と、消費者的目線でお答えしますね。そして最後に、どうすれば転売がなくなっていくのか、ということもお話しします。

 

まず、メーカー目線でダメな理由。

大きな理由(そして最近実際の仕事で悩んでいる)所としては、値段設定がグチャグチャになってしまうこと。

まぁこれは想像がつきやすいと思いますが、彼らが独占して買ったものは、物の価値に合ってないレベルで高額取引されがちです。

このようなことを言うと、「物の価値は消費者が決めること。高くても売れると言うことは、それだけの価値を認めてるのでは?」と言う人もいます。ある一定はYESなのですが、ここではNOですね。と言うのも、この理論が通用するのは「商品自体の、もしくは購入チャネルの代替案がある場合」に限られるためです。

どう言うことか、簡単な例で説明します。

例えば、ある商品、ここでは適当にレトルトカレーにしましょう。架空の企業がレトルトカレーをデパートの特産市で非常に高い値段で売ったとします。この時、消費者は別のレトルトカレーを買う、と言う選択を取ることができます。その場合、商品自体に代替案があるので、価値を認めた人以外は高いレトルトカレーを買う必要がありません。

もしくは、このカレーが本場インドの貴重なスパイスを使っていたとしましょう。このスパイスを買う手段としては、①現地インドまで行って買う、②手間はかかるがネットで個人輸入する、③このデパートの特産市で買う、の3つがあるとします。この時、消費者はスパイスが欲しいと思ったらどの方法も選ぶことができ、その中で自分にとってベストな方法で買うことができます。この際、購入チャネルに代替案がある、といいます。

では、転売の場合はどうでしょう?多くの場合は限定品で他に選択肢がありません。しかも、買える場所も1ヶ所しかない場合がほとんどです。その時、消費者はどう思うでしょう?「あそこの商品、人気なのは分かるけどなんか高えな。」と思い、好感度が減るわけです。

誰が買っても売上が変わらない企業からしたらたまったものではありません。そもそもなるべく多くの人に商品・サービスが適切な価格で渡った方が、企業にとってはいいに決まってますから。

 

さて、お次は消費者目線です。

まぁこれは上で説明したことと被るんですけど、「本来安く買えたはずのものを、一部のアホのせいで不当に高く買わされる」と言う不利益があるんですね。

こう言う話をするといつも「転売ヤーがいるおかげで、消費者は本来買えなかったものが買えるから感謝するべきだ」とか、「そもそも転売はビジネスの基本。商社も海外で安く仕入れて国内で高く売ってるじゃないか」とか言う輩が湧くので一応反論しておきます。

 

商社に限らず、ビジネスの世界における転売はそもそも「消費者が買えなかったはずのものを、買えるようにする」ものです。対して転売ヤーのそれは「消費者が買えたはずのものを独占して買えないようにする」ものです。

 

つまり、全く逆の行為です。

 

先ほどのカレーの話を例にしましょう。

インドのスパイスの話をしましたが、実際に一般消費者の中で珍しいスパイスが欲しいからと言ってインドに飛んだり、個人輸入ができる財力・知識を持っている人はそういません。だから、業者が代わりに仕入れてくれたスパイスを多少高くても買うのです。この時、消費者は元々買えなかったはずのものを手にしています。

 

では転売の場合は?

多くの場合は国内で簡単に買えるものでしょう。そのためには多少並んだり、パソコンとにらめっこしなければならないかも知れませんが、多くの場合特別な知識や財力を必要とせず、購入できます。最も転売が問題になっているチケットも、別に簡単に買えますもんね?

でも、転売ヤーが半ば独占してモラルも守らずに大量購入するから、一般の消費者は購入できず、彼らの提示する高い金額で買うか、諦めるしかない。この時、消費者は買えたはずのものが買えなくなっています。

 

全くの逆ですよね?

 

人を幸せにするか、不幸にするか、全く反対のことを似ているとか言って擁護する輩がいることは、全く呆れるとしか言えないです。

 

さてさて、今までずっと転売は悪と言いましたが、どうすれば無くせるか?

答えはとても単純で、かつとても難しく痛みを伴います。

 

それは、転売と分かっているものは欲しくても買わないこと、です。

 

転売ヤー周りが言う「需要と供給」の話だけは正しくて、需要があると思うから、彼らも転売を続けるのです。(そもそも彼らは需要の高い商品の供給を絶って、自分たちへの需要を高めているので方法はクズですが。)

 

だから、どれだけ欲しい商品でも、転売によるものだと分かったら買わない。そうすれば、転売ヤーから見て魅力的な商品でなくなるので自ずと転売はなくなります。

結局、多数の消費者の力によってしか、市場は変えられないのです。逆に言うと、消費者の力で市場はどのようにでも変えられる。だから、行動で示すしかないのです。

 

さて、ここまで固い話ばっかりしてしまいました。笑

まぁすぐには変化は起きないと思いますが、いつかみんなが欲しいものを適正な価格で買える日が来るといいですね。

 

ではでは!